今年もWakiya一笑美茶樓で「北海道 食とワインの夕べ」を開催しました。まん延防止等重点措置の期間中で、以前に比べると規模を半分以下にしての開催でしたが、参加されたお客様には旬の北海道食材とワインを堪能いただきました。
ますます評価高まる北海道産ワイン
近年そのクオリティの高さに評価が高まる北海道ワイン。北海道道庁の「食のサポーター」を務める脇屋は、2019年にロンドンで開催された道産ワインのプロモーションに参加。現地の料理業界関係者やメディアに北海道食材を使った料理と共に道産ワインを紹介しました。ヨーロッパのワインにひけを取らない、また北海道のワインならではの味わいに目利きたちも好反応だったそうです。
北海道の食材とワインのコラボレーション
北海道出身の脇屋としては、故郷の食材には並々ならぬ思い入れがあります。その食材をいっそう引き立てるのが、同じ地で育まれたワインです。
今回もNPO法人ワインクラスター北海道の代表阿部眞久さんが脇屋の料理に合わせるワインをセレクトしてくださいました。そのラインナップはこちら!阿部さんの解説とともにどうぞ。
第186回食材研究会「北海道 食とワインの夕べ」メニュー
ふらのワイン ペルル・ブランシュ2018(富良野市)
シャンパン方式製法の、やや辛口スパークリングワイン。
北海道産蝦夷鮑と氷玉仕立てのチャイナ粥
上質なスープで炊いたお粥に蝦夷鮑のうま味を添えました。お粥がお腹を温め、食欲増進を促します。
奥尻ワイナリー ピノ・グリ2020(奥尻町)
透明感のあるきれいな麦藁色。オレンジピールのような柑橘系の香りから、2次的アロマの白い花の香りへと変化。ボリューム感のあるやや甘口、蒸栗のような余韻を感じます。
檜山の極上赤なまこと夏野菜の冷菜
一転して目にも舌にも涼しい冷菜です。なまこの独特の食感と爽やかな夏野菜のコントラストをお楽しみいただく前菜です。
北海道産海胆の熱々小籠焼売と香ばしい焼き餃子
分刻みで仕上がり時間を調整し、熱々をお召し上がりいただいた海胆の点心2種。
北海道ワイン 鶴沼ゲヴュルツトラミネール2017(小樽市)
ライチやマスカット、白桃のような甘い果実にラベンダーやバラを思わせる花のニュアンスがあり、気品と酸の爽やかさが特徴的な白ワイン
ほくほく冬瓜と猿払産帆立の煎り焼き
肉厚な帆立をさっと煎り焼き、表面はカリッと中はほどよくレアに仕上げます。上湯でふっくら炊き上げた冬瓜と合わせた優しい味わいの一品です。
千歳ワイナリー 北ワイン ピノ・ノワール プライベートリザーブ2018(千歳市)
8ヶ月間の樽熟成を経て瓶詰め。ピノノワール プライベートリザーブは、樽熟成期間中に実施するバレルテイスティング(官能検査)により特に優れた樽を選抜して瓶詰めした特別なロットです。
八つの宝入り丸鶏の塩釜焼き
鶏のお腹に具材をたっぷり詰め、蓮の葉でくるんでから塩釜で焼きます。蒸し焼き状態にされた鶏はしっとりジューシー。鶏肉と詰め物が混然一体となり、口いっぱいに複雑なうま味が広がります。
〆の食事は大きな土鍋で炊き上げた二種のご飯
北海道ワインの地理的表示(GI)
2018年6月、ワインにおける地理的表示(GI)として北海道が指定されました。
地理的表示(GI)保護制度とは、農林水産省が定めたものです。日本各地にはその地域の気候・風土・土壌などの生産地の特性により、高い品質や評価を獲得するに至った産品が数多くありますが、その中でも品質や社会的評価など確立した特性が産地と結びついている産品について、その名称を知的財産として保護する制度が「地理的表示(GI)Geographical Indication保護制度」です。〜農林水産省ホームページより
つまり、その地域の風土や伝統が育んだ特色のある地域産品を保護するということですね。国のお墨付きが与えられることで、品質が保証された地域ブランド産品として、国内での地位向上はもとより、海外展開にも役立ちます。
ワインでは、山梨に次いで北海道が二例目。さまざまな角度から定められた生産基準を満たした後、審査に合格したワインのみGI北海道を表記することができます。
もちろん、GI北海道の認定が無いからといってそのワインのレベルが低い、ということではありません。北海道ワインを知ろうとするときに、まず入門としてGI北海道のついたワインを飲んでみると、それが道しるべとなり、そこから自分の好みを探っていくことができるのではないかと思います。
食を通して土地柄を知る
その土地の食材を使った料理には、同じ土地のワインが合う。料理とワインの合わせ方の基本でよく言われることですが、まさに北海道は、豊富な食材と個性豊かなワインで無限の楽しみが広がります。厳しくも豊かな自然に育まれた北海道の食材とワイン、まだまだ可能性が広がっていきそうです。来年もまた「北海道 食とワインの夕べ」を開催する予定です。一年後はより多くの方に参加していただけるよう、そしてレストランでの食事を心置きなく楽しんでいただけるよう願ってやみません。